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堀井和子さんの「いいもの」のファイル

第12回:Calder の魚/焼き菓子の箱/Vivid な格子柄/キャンバス地のトート

文・写真:堀井和子

 フランスのヴィラック社製 “ALEXANDER Calder TOYS” の Poisson #8322。南仏のマーグ美術館のミュージアムショップで見つけた玩具で全長が65cmもあります。白い歯の先端に付いているヒモを引いて歩くと、魚が波間をうねるように上下して動くのが何とも剽軽で、どうしても家へ持ち帰りたくなってしまいました。ありったけのプチプチ梱包を巻き付けて、機内持ち込み荷物で、大事に抱えていたことを思い出します。

 東日本大震災の折、この魚はちょっと負傷しました。蝶番が壊れて尾ビレの表面が少し削れ、尾をピンと張れなくなっていたのです。昨年妹の主人の泉さんにお願いして修理してもらい、元気な様子で本棚の上に。

 理屈ではなく、自分にとってすごく大事なものってあると、つくづく思っています。

 HEDIARD の焼き菓子 ゴーフル。2018年9月に買った時、撮った写真です。(今は販売されていないようです) HEDIARD の紅茶の缶もそうですが、この頃パッケージに使われていた赤は、光を含んで浮き立つような粋な色で魅力的でした。今の紅茶缶の赤は、やや暗めなだけなのに、印象がだいぶ違って感じられます。

 赤という色は、ほんのちょっとしたニュアンス、トーンの違いで、好きな赤になったり嫌いな赤になったりします。例えば包装紙や紙箱、缶、陶器などにプリントする場合も、色出しに根気よく向き合わないと、イメージからすっと離れてしまう気がするのです。

 正方形の紙箱の赤と、ゴーフルの格子状の凹凸、焼き色が美しいなぁと心を動かされました。

 先月購入したマリメッコのコットン製トートバッグは FUJIWO ISHIMOTO 氏のデザインで、濃いピンク色とオレンジ色の地に赤の格子柄。表と裏で、濃いピンク色とオレンジ色の面積割合が違うのが素敵です。肩に掛けて外出すると、いつのまにか元気になれそうな配色ですね。

 こちらは2009年 CLASKA Gallery & Shop “DO” での Courrier 展の時、私の手描き文字をプリントしていただいたトートです。Courrier のトートは、レジ袋廃止後の今、お買物に必要な大きさと丈夫な造りで、持って出かけたくなる元気なタイプかなぁと改めて、見直しています。


Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」

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2020/09/29

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