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堀井和子さんの「いいもの」のファイル

第10回:Jeu de L’oie/高知こどもの図書館の布製バッグ/絵本 “Roland”

文・写真:堀井和子

 ”Jeu de L’oie” は、オーガニックコットンで作られたガチョウのゲームのセット。
 Marie と Charlotte の姉妹による DEUZ というブランドのプロダクトで、0~10歳の子供を対象としています。
 10年くらい前に、パリのパッサージュ内の玩具店で見つけました。

 20cm×20cm の赤い布地の手提げ袋の中に、60cm×60cm の布製ゲーム盤と木製の駒とサイコロ、紙製説明書が入っています。

 思考が爆発しているようなガチョウのイラスト、赤とこのブルーのコントラストにぐっときつけられました。子供のためのゲームセットと知りつつ、コットンバッグに眼鏡と財布、鍵だけ入れて散歩したら楽しそうと、つい想像をふくらませて購入することに。

 表面だけでなく、裏面のデザインも迷いがなくてカッコいい。小さいサイズだけれど、こんな面白いグラフィックデザインのパッケージがあることが刺激的だなあと思っています。

 外国を旅行する時は、書店の絵本のコーナーや玩具店などを必ず覗くことにしていました。思ってもみなかったジャンルのデザインにハッとするのが楽しくて。

 高知こどもの図書館の布製バッグは、イラストを描いた松林誠さんにいただいたもの。シルクスクリーンプリントで、スタッフの方が縫製なさったので、この黄緑色のベースに赤のデザインが実現したと伺いました。

 Tシャツや布製バッグにプリントする時、ベースの布の色は限られた中から選び、どうしてもこの色で、という場合は、持ち込みになります。生地代、縫製代を考えると、なかなか好きな色のベースを使う選択が叶わないので、松林さんに質問したことを思い出しました。

 この黄緑色、図書館で本を借りて、早く家に帰って読みたい気持ちにぴったりな気がします。

 ”Roland” は Nelly Stéphane の文と André François のイラストによる絵本で、初版は1949年、こちらは復刻版です。

 主人公のロランが「CRACK!」と唱えると、落書きした動物が本物になって動き出すというストーリー。教室や校庭、街を走る自動車や自転車、人物、シマウマなどの描写にドキドキしながらページをめくります。フランス語版なので、今の私の語学力では一生懸命ストーリーを辿りながら。

 背表紙に赤い布地が使われていますが、刷り色はブルーと黒と芥子色の3色で、白く残した雪の表現も含め、見ごたえがあるのです。ちょっと厚みがあってマットな紙質も、文字部分のレイアウトも、とても魅力的な一冊。


Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」

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2020/08/25

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