メイン画像
堀井和子さんの「いいもの」のファイル

第8回:ヒマワリ/ガラス器のセット/四万十のお土産

文・写真:堀井和子

 散歩の途中、夏の陽ざしの中、すくっと立って花を咲かせているヒマワリを見ました。昼近くのジリジリ暑い時間帯に、ヒマワリの黄色を見ると、子供の頃の元気を思い出せます。

 昔 DANSK で購入したガラス器のセット(メーカーやデザイナーは不明)。

 グリーンのボウルは口径22.5cm 高さ10cm。乳白色のガラス器は口径21.5cm 高さ12.5cm。乳白色の方に砕いた氷を入れて、グリーンの方に冷たくして食べる料理を盛ると説明を受けました。

 当時の私はグリーンという色は好きではなかったはずで、DANSK のアイテムは値段が高く、その上セット売りということで、普通だったらパスするところ、迷わず決めていました。
 この乳白の色、薄さ、円筒形のフォルムに、ものすごく魅かれ、美しいデザインだなぁとドキドキしたことは、はっきり記憶しています。

 乳白色のガラス器は、少し枝や葉がついたプルーンや洋梨をそのまま入れてテーブルに置くのが好きです。
 このグリーンの氷菓のようなクールさが、今は粋に感じられるようになりました。お客様の時は西瓜を丸くくり抜いてウォッカをかけたデザートを、普段は皮付きのまま無造作に切り分けた西瓜を —— 夏の色と組み合わせて試しています。

 ものを見つめながら年を重ねるのは面白いです。昔と変わらず好きなデザインもありますし、昔苦手だったのに好きになった色もあります。実用的ではないけれど、35年前にこのセットを選んだ私に、“いいもの買ったね!”と声を掛け、思いっきり目を細めてニコニコしてみたいです。

 高知に住んでいる友人が、四万十のお土産を送ってくれました。

 四万十の茶葉を自家発酵させた紅茶は、おっとりとして家庭的な風味。

 左手前の細長い紙箱は“ジグリキントンタベクラベ”、四万十川流域産の地栗キントンと、地元の山塩をいい具合にきかせた塩キントンの2種類が詰め合わされたもの。
 和栗ならではのシックな風味を大事にしてあって、素直なおいしさ。毎日のお茶の時間のために、この小さい箱入りをたくさん買い置きたくなります。

 カゴの奥に見えているのが、四万十black落花生。
 渋皮が黒色の品種だそうで、初めて味わいましたが、コクと香りが深くて甘みもあり、一度この味を知ってしまうと、やみつきになるタイプかもしれません。

 食べた後、生成り色の殻と黒紫色の渋皮が重なった様子がアートのように見えてハッとしました。

 四万十の食材の風味やコクは力強く、それを生かした製品や個性的なパッケージの印象が、ふとアメリカのサンタフェのそれに似ているような気もしました。


Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

2020/07/22

  • イメージエリア

  • テキストエリア

    CLASKA ONLINE SHOP

    暮らしに映えるアイテムを集めた
    ライフスタイルショップ

    CLASKA ONLINE SHOP