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短期集中連載
堀井和子さんと一緒につくる、
大人が毎日着たい服
第5回

10年後も日々活躍するような、末長く愛される日常着になることを目指して。
今回は、いよいよ製品サンプルの試着。
実際に着用してみることで、「こうしたほうがより心地いい服になりそう」というアイデアが、浮かんできたようです。
堀井さんとCLASKA Gallery & Shop "DO"が共に取り組む服づくりの様子を、引き続きお楽しみください。

写真:山平敦史 文・編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)

連載第5回
サンプル試着会レポート

Profile
堀井和子(ほりい・かずこ)
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO"と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。


まずはシャツから。着心地はいかがですか?

さて、今回はいよいよ製品サンプルを試着していただきます。

荒井菜穂(CLASKA Gallery & Shop "DO" オリジナルアパレルデザイナー):
堀井さんにいただいたアイデアをベースに、私自身の感覚も反映させながら仕上げました。着ていただくことで感じることもあると思いますので、ざっくばらんにご意見をいただけたらと思います。
堀井さん(※以下、敬称略):
楽しみです!

最初はシャツから行きましょうか。

荒井:
そうしましょう。シャツは身幅や着丈など、改めて一緒に考えていただきたいことがいくつかあるんです。ちなみに色は、堀井さんに選んでいただいたものも含めて3色展開にする予定です。
堀井和子さん
堀井:
では早速着てみますね。……あれ? 肩の部分のつくりが左右で違いますか?
荒井:
そうなんです。片方は肩幅ぴったり、もう片方は少しドロップさせています。どちらの雰囲気がお好きでしょうか? ちなみに後ろにはダーツを入れているので、全体のシルエットは女性的な印象が強いかもしれません。
堀井:
なるほど。肩のつくりは、身幅や着丈とのバランスも踏まえて考えたいですよね。
堀井和子さんのフィッティング風景
荒井:
そうですね。肩幅も身幅も、以前採寸させていただいた堀井さんの身体のサイズに合わせてつくっています。着た感じ、いかがですか?
堀井:
当然、私の身体には合っているけれど……。どうなんだろう? 幅広い体型の方に着ていただけるものにするためには、身幅にもう少し余裕を持たせた方がいいのかな?
荒井:
実はドー本店のスタッフ数名にも試着してもらったのですが、おっしゃる通り全体的にもう少しゆとりのあるサイズにした方がいいかも、という印象でした。
堀井和子さん
堀井:
ネイビーも素敵。襟が大きめで存在感があるから、前を開けてジャケット代わりに着てもいいかも。

なるほど。いろいろな着こなしが楽しめそうですね。

堀井:
着丈は、出して着るんだったらこのサイズでいいけど、インしようと思うと少し短いかも……?
荒井:
そうですね。少し調整しましょう。あと、後ろのダーツは無しにして、少し身幅にゆとりを持たせようと思います。

大人仕様のジャンパースカートができそうです

さて、次はジャンパースカートを試着していただきましょう。

堀井和子さんとつくったジャンパースカート
堀井和子さんとつくったジャンパースカート
堀井和子さんとつくったジャンパースカート
堀井:
ふふふ(笑)。いい感じですね。生地の肌触りが滑らかで、上質な雰囲気もあって。
荒井:
良かったです! 色は、今着ていただいているベージュと、グレーの2色展開にする予定です。堀井さんが手づくりされたジャンパースカートとデザインを変えた部分は……ウエスト部分にアジャスターをつけたことと、外ポケットをつけたところです。アジャスターが本当に必要がどうか、ちょっと迷っているのですが。

アジャスターがあることで、身幅と全体のシルエットを変えることができるんですね。

堀井:
デザインとしてポイントになるけれど、同時に“カジュアル感”も強くなるのかな。アジャスターなしでストンとシンプルにしても、大人っぽくていい気がします。無くていいのかも。
荒井:
確かにアジャスターが無い方が、着用できるシーンが増えるもかもしれませんね。
堀井:
あと……。気になるのが、脇部分の深さ。ちょっと深すぎる気がします。

前回の打ち合わせでも、この部分の空き具合がポイントになるとお話しされてましたね。

荒井:
そうですね。確かに、もう少し切れ込みが浅い方がインナーに気を使わなくていいかもしれません。数センチ詰めましょうか。
堀井:
着丈はバッチリですね。ちょうどふくらはぎが隠れる長さで、細見え効果もあるのではないでしょうか。

季節によって、レギンスを合わせたり、ソックスの色味で遊んだり。シンプルなデザインなので小物づかいが楽しめそうですね。


これぞ、大人のためのワークパンツ

次はパンツを履いていただきましょう。ジャンパースカートと同様に、ウエスト部分にサイズ調整用のアジャスターがついていますね。

堀井和子さんとつくったワークパンツ
荒井:
はい。ウエストは通常の38(Mサイズ)よりもさらに大きくしています。
堀井:
良いですね。生地も気持ちがいい。チノに近い感じなんだけど、もう少しエレガントというか優しさを感じるデザインですね。ありそうで無い感じ。まさに“大人のワークパンツ”という感じですね。

前回の打ち合わせでは、「洗いをかける・かけない」どっちがいいのかな? という話になりましたね。今履いていただいているのは、洗いをかけているものですか?

荒井:
これは、かけている方ですね。洗いをかけた方が、生地が柔くなって履きやすくなるんです。あとは、あらかじめ何度か洗濯をしたような生地の馴染み感が最初から出ているので、こなれ感のある着こなしがすぐ楽しめるというのが特徴ですね。
堀井:
なるほど。でも、もともとの生地がしなやかで心地いいから、あえて最初から洗いをかけずに、だんだんと自分のペースで育てていくのもいいかもしれませんね。
堀井和子さんとつくったワークパンツ

シルエットや丈はどうですか?

堀井:
いいと思います。こういう風に、裾を折って短めの丈にして着ても素敵ですね。強いて改善点を提案させていただくとすれば、後ろのポケットかな。現状片方だけについているんですけど、両方あった方が安心かも。なんでかというと……。ポケットがついていることで、ヒップラインを気にしなくて済むんですよ。“目くらまし効果”があるというか(笑)。ちょっとしたことですけど、ひと工夫することで、安心して気楽に履いていただけるものになると思いますよ。
堀井和子さんとつくったワークパンツ
荒井:
確かにそうですね! 左右両方につけることにしましょう。

ボトムス繋がりで、次はスカートに行きましょうか。堀井さんが京都でつくられたという私物のスカートに近い仕上がりですね。

堀井和子さん
堀井:
あ、これはカッコよく着れそう。ワークスカートみたいな雰囲気もあって、いろいろな着こなしに使えそうな気がします。生地にもハリがあっていいですね。早速履いてみましょう。
荒井:
履いた時の重さと、ボタンのとめやすさはどうですか? 私が自分で履いてみた時に、ちょっとボタンがとめ難いかなという印象だったんです。
堀井:
うーん、若干とめ難いのと、ボタンがついている見返し部分の重さが少し気になりますね。全部をボタンにすることにこだわらずに、何か別の方法を考えるといいのかな……。
堀井和子さんとつくる服のサンプル
荒井:
たとえば一番上だけボタンにして、あとはファスナーにすると、履きやすくなるかもしれません。ボタンはデザイン的にポイントになるので、一番上は表側にボタンを付けるかたちにして。
堀井:
いいアイデアですね。そうしましょう! この白いボタン、素敵だから見せたいですよね。いろいろな着こなしが楽しめそうだし、これ一つあったらすごく便利そう。個人的には、今日試着させていただいた中でこのスカートが一番ヘビーローテーションになりそうな気がします。
荒井:
今日いただいたご意見を反映して、いよいよ製作に入っていきます。出来上がりを楽しみにしていてください!

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2020/04/08

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