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短期集中連載
堀井和子さんと一緒につくる、
大人が毎日着たい服
第3回

「今の堀井さんが好きな服、着ていて落ち着く服はどんな服ですか?」。
堀井和子さんと「CLASKA Gallery & Shop "DO"」による
“大人の日常着”をテーマにした「sept septième(セット・セッティエーム)」の服づくりは、
お気に入りの私物を見せて頂きながらのディスカッションからスタートしました。

写真:山平敦史 文・編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)

連載第3回
落ち着くのは、空気をひろってくれる服。

Profile
堀井和子(ほりい・かずこ)
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop “DO”と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。


さぁ、どんな服をつくりましょうか?

若山さんとの対談にも、服づくりにあたってのさまざまなヒントがありましたが、改めて、“大人の日常着”としてどんなアイテムが必要なのか、そしてそれはどんなかたち・素材がいいのか? そんなことを考えていきたいと思います。堀井さんには「1丁目ほりい事務所」としてCLASKA Gallery & Shop “DO” 本店で企画展を開催していただいたり、企画展に関連したものづくりを一緒にさせていただいたり、さまざまな取り組みでご一緒していただいてきましたが、洋服づくりははじめてですね。

堀井:
対談でもお話しましたが、ファッションはそんなに得意ではなくて(笑)。でも、「こういう服を着ていると気分が良いな」とか、「こういう服が好きだな・あったらいいな」という明確なイメージはあるんですね。今回の取り組みでは、そのイメージを具体化できればと思っています。

堀井さんは普段ユーザーとして服を買う時に、どんなことを気にして選んでいますか?

堀井:
自宅で洗濯できるかな? とか、アイロンをかけなくても着られる生地かな? とかでしょうか。あと、座った時にシワになりにくいかどうかも気にしますね。つまり……あまり手のかからない服が理想。私、なまけものなんです(笑)。でも、“日常着”って、そうあるべきなんじゃないかなぁと思いますね。

対談でも話題に出ていましたが、“サイズ感”も重要なキーワードになりそうですね。

堀井:
そうですね。カチッとした仕立ての服が好きなのですが、身体のラインに沿うものよりは、少し大きめのものを選ぶことが多いです。なんていうのかな、服の中で少し身体が泳ぐというか空気をひろうようなサイズ感のもの。たとえばこれ、30年以上前にアメリカで暮らしていた時に自分でつくったジャンパースカートなんですけど……。

わ、素敵ですね! とても30年以上前につくったとは思えないです。

堀井:
当時のアメリカでは私の体形に合うサイズの日常着がなかなか見つからなくて、手作りしたんです。裁縫は得意じゃないんですけど、日本から送ってもらった『装苑』の初心者用のページを見ながらなんとか(笑)。

シルバーの丸いバックルと、センターに並んだボタンが印象的ですね。サイズ感も、タイト過ぎず大きすぎず。

堀井:
当時はそこまで深く考えてつくったわけじゃないけれど、ストンとした“Iライン”のシルエットなので、大人っぽさと着やせ効果もあって(笑)。今でも愛用しています。

中に合わせる服で、印象が変えられそうですね。

堀井:
夏はTシャツ、肌寒い時期にはタートルのカットソーを合わせたりして。こういう感じの気軽に着られるジャンパースカートは、是非つくれたらいいなと思っています。

大人の日常着には、“メリハリ”が必要です

堀井さんは、普段パンツスタイルが多いとのことですが、どんなパンツが理想ですか?

堀井:
普段から愛用しているこのパンツが、結構理想に近いかなと思っています。ごく普通の太めのストレートでシンプルなデザインなのですが、気に入っているポイントとしては、この後ろのポケット。フラップが、ちょこんと立ち上がるデザインなんです。

おもしろいですね!

堀井:
メンズライクなダボっとしたシルエットなのですが、このフラップのおかげでだらしない印象にならないんです。先ほどのジャンパースカートもそうですが、ボタンとか金具とかポケットとか、どこかに一つ“アクセント”になるものがあると、目線が身体のラインに行き過ぎないというか……すっきりして見えると思うんですよね。

メリハリを感じさせる“パーツ”が必要ということですね。

堀井:
そうそう。年齢を重ねてくると、フラットすぎるデザインだと綺麗に着こなすことが難しくなるな、ということを実感しています。若い人たちにとっては“自由さ”が魅力になると思うのですが。あとは、生地の厚みや質感も重要かな。薄い生地よりも、少し地厚というか、身体のラインを拾いすぎないものがいいと思います。そういう生地のボトムスは、年間通して着用できますしね。まさに、このパンツがそうなのですが。

オールシーズン着られる服、良いですね。ベーシックな日常着であるならば、なおさらです。生地の選び方によっては、実現できそうな気がします。スカートはどうですか?

堀井:
スカート派の方もいらっしゃると思うので、是非つくりたいですね。いくつか持っている中で、とても気に入っているかたちがこれです。実はこのスカート、もともと自分が持っていたリバーシブルの巻きスカートのデザインを参考にして、京都の友人にお願いして仕立ててもらったものなんですよ。

センターをボタンで留めるようになっているんですね。大胆な柄も素敵です。季節によってはレギンスやタイツを合わせたりして、いろいろ楽しめそうですね。

堀井:
着る人の体形に合わせて前のボタンの開きを調整すれば、足さばきも楽ですしね。無地も良いけれど、こういう大胆なプリント柄もいいなぁと思います。このスカートの元になったリバーシブルのスカートは、サッカー生地で軽くて座ってもシワにならなくて……とても扱いやすいスカートなんです。スカートは、生地選びもポイントになりそうですね。

Tシャツとシャツは、何枚あってもいい

若山さんとの対談でもおっしゃっていましたが、堀井さんのワードローブにTシャツは欠かせないものですね。

堀井:
自分でつくるとしたら、なにかしら文字がプリントされたものが良いなぁと思っています。私自身、シルエットもそうですが、プリントされている文字や柄が良いなと思うと、ついつい買ってしまいます。

色やサイズ、生地感などを追及すると、奥が深そうです。文字も素敵ですが、堀井さんのコラージュ作品をプリントするのも素敵かもしれませんね! 

堀井:
ふふふ(笑)。色はやっぱり白が良いんじゃないかと思いますね。あまり身体のラインを拾わない、少し厚手の生地が良いのではないでしょうか。

日常着のワードローブには、Tシャツと同様にシャツも欠かせません。堀井さんもシャツ好きとのことですが、今回つくるならどんなものがイメージですか?

堀井:
2つあって……これはメンズのシャツなんですけど、主人に「素敵だから買ってみたら?」と勧めて、結局私が着ているものです(笑)。

袖の部分が切りっぱなしになっているんですね。さりげないアクセントになっていて素敵です。

堀井:
こういう、ざっくりとしたシャツもいいなと思うし……あとは、全然方向性が違うんですけど、こういうエレガントな印象のシャツもいいな、って。

とても新鮮です! アーム部分のカッティングや襟のかたちが、とてもエレガントですね。少し気合いを入れておしゃれをしたい日にも活躍しそうです。

堀井:
私のいかり肩を綺麗に見せてくれるデザインなんです。襟が大きめで存在感があるから、肩周りを華奢に見せる効果があるかもしれませんね。カジュアル過ぎない、こういう印象のシャツも一枚あると便利だなと思います。

ジャンパースカートにパンツ、スカート、そしてTシャツにシャツ。日常着としてクローゼットに常備しておきたいアイテムに関するアイデアが色々出てきましたね。今回の服づくりのデザインは、「CLASKA Gallery & Shop “DO”」のオリジナルアパレルをデザインしている荒井菜穂が担当させて頂きます。次回は、堀井さんのアイデアとイメージを参考に作成したデザイン画と使用する生地のサンプルなどを見ていただきながら、より具体的なお話ができればと思っています。

堀井:
楽しみにしています!

連載第4回へ続く

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2020/03/23

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