昨年迎えた姉妹猫と共に暮らすデザイナーの佐竹さん。
猫を姉妹で飼うことのメリットや、
微笑ましい日々の暮らしについてお話を伺いました。
写真・文:加藤孝司 編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)
猫:あめ(1歳)、ゆき(1歳)。姉妹猫。好きな遊び道具は、ねずみのおもちゃ。
男:佐竹伸一(東京下町育ちのデザイナー)
猫を迎えることになったきっかけを教えてください。
- 子どもの頃の話になるのですが、姉が動物好きで僕が小学生の時に仔猫をもらってきたことがありました。名前は「ちくわ」といって、いたずら好きの美猫でした。オスだったのですが、兄弟のような気持ちで一緒に過ごしてきたと思います。姉が結婚して家を出てから僕はちくわと離ればなれになり寂しい思いをしましたが、その時から漠然と「いつか猫を飼いたいなー」と思っていました。同居人も猫好きなこともあり、次に引っ越すタイミングでペットOKの広い家にしようと決めていた矢先、たまたま良い物件に出合えたので猫を飼うことを決意しました。

元々猫好きだったんですね。
- はい。姉がちくわをもらってきてから、ずっと猫好きです。だから街で猫を見かけるだけで嬉しくなります。
姉妹猫さんとの出会いのきっかけを教えてください。
- 「あめ」と「ゆき」という名前なのですが、会社の後輩に里親を探している友人がいて、私が猫好きというのを知っていたので紹介してもらったのがきっかけです。
あめとゆきという素敵な名前は、どなたが考えたのですか?
- 仔猫の時は今よりもっと白くて、本当に雪のように白かったことと、映画の「おおかみこどもの雨と雪」になぞらえて同居人が名付けました。

あめとゆきは、今何歳ですか?
- 1歳です。いつまでたっても甘えん坊です。
別々にではなく、なぜ姉妹で迎えようと思ったのですか?
- 職業柄帰りが遅く、猫は寂しさに対してストレスを強く持つというのを知っていたので、姉妹であればそれが和らぐかなと。先にゆきがきて、わけあって翌日あめも迎えることになりました。
仔猫の頃の思い出深いエピソードを教えてください。
- ゆきは物怖じせず活発で、あめは臆病で慎重派です。だからなのか、ゆきの方がまだ登ったことがない高いところであったり、はじめてあげるごはんやおもちゃに積極的です。それを見てあめが恐る恐るトライしてみるといった、姉妹ならではの行動と成長をみられたのが印象的でした。

お顔の模様も似ていますが、見分けるポイントを教えてください。
- 一番わかりやすいのは、耳ですかね。ゆきは片耳が白いのに対して、あめは両耳とも黒いところです。
確かにそうですね! 人間にも顔だけでなく双子や兄弟で“似ているなぁ”と思うふとした瞬間がありますが、あめとゆきってやっぱり血の繋がった姉妹だなあと思うのは、どのような時ですか? それとは逆に、それぞれの個性も教えてください。
- 似ていると思うところは結構あって、寝る時のポーズがシンクロする、寝る時に半目になることがある、指でこしょこしょするとそれに合わせて自分の足で掻く、とか。あとは……自分の腕に顎をのせて寝る、気持ちよくなると尻尾をお腹のほうに丸めること、爪研ぐところが同じですね。それと甘えん坊、好きなごはんが一緒なところ、ほかにもいろいろありますが、爪切りやお風呂嫌いなところも姉妹で共通していますね。違うのは性格で、どちらも甘えん坊ではあるのですが、あめは自分から甘えたいとき以外は、抱っこされるのがあまり好きではないといったところでしょうか。


あめとゆきを飼いはじめてメンタル面や、生活面で変わったことはありますか?
- 2匹を迎えたのが2020年2月でした。コロナで世の中的にも不安で、また家にいることも多くなったタイミングで、この子たちの存在はものすごく支えになりました。生活はなるべく猫ファーストをつとめていて、コロナの影響もありますが、泊まりで出かけることが少なくなったり花を飾ることを制限したり、落として壊れるものはしまうようになりました。
僕もジャスパーが来てから妻と2人で家をあけることは少なくなりました。でかけなくても猫といるだけで幸せですよね。あらためてしみじみと可愛いなあと思う瞬間はどんな時ですか?
- 甘えてきてくれる時はもちろんそうですが、部屋の中を移動したり歩いていると、そのあとを後ろから同じスピードでついてくるところです!
めちゃくちゃかわいいですね。ジャスパーは脚にまとわりついてくることがないので羨ましいです。佐竹さんはデザインやアートのお仕事をされていますが、猫と暮らすことでクリエーションへの影響はありますか?
- 良くも悪くも家で仕事をしていると妨害されるので、根詰めて作業しない、心にゆとりができることですかね。
あはは(笑)。あめとゆき、それぞれの好きなおもちゃを教えてください。
- おもちゃは紐系が好きですが、特に好きなのは猫の手サイズのネズミの玩具です。ゆきはこれでひとりドリブルをして、よく冷蔵庫の下にゴールさせています。

お気に入りの場所はどこですか?
- 夏は窓辺で日光浴をしていますね。冬場は人の膝の上が好きみたいです。季節関係なく好きな場所は、キャットタワーの一番上か丸いかたちの爪とぎの中、それと私のワークチェアの上です。
佐竹さんが家にいる時、猫たちとどのように過ごしていますか?
- とにかく甘えん坊なので、朝はごはんをあげたら出かけるまでひたすら撫でています。休日は猫の気分に合わせて遊んだり、膝の上にのせたり、撫でたりの繰り返しです。
幸せな時間ですね。姉妹猫を飼うことの良いところはどんなところだと思いますか? これから姉妹や兄弟で迎えようと考えている人にアドバイスをお願いします。
- 良いところはやはり、人がいない時でも寂しい思いをさせない、遊び相手がいるのでお留守番させやすいことですね。姉妹でない猫を多頭飼いする時は、お互いの相性が悪かった場合、それぞれに部屋を設けたりと色々と気を使わなければいけませんが、姉妹だからそういったことが全くないのは本当に助かります。ですので、姉妹・兄弟であれば特別なアドバイスもないですが、しいていうなら片方ばかり構っていると構っていないほうが拗ねることです(笑)。ですので、多頭飼いの場合はなるべく公平に構ってあげることをお勧めします。

猫との暮らしで疑問に思っていることや、こんなおもちゃや道具があったらいいのにと思うことをデザイナー・アーティスト目線で教えてください。
- トイレやベッド、キャットタワーなど、インテリアとしての見た目と機能も重視したいところです。そう考えた時に「KARIMOKU CAT」というブランドは全体として統一感があり、木を使った温かみのあるデザインで素晴らしいなあと思っています。自動給餌器など猫のためのスマート家電がありますが、デザインがどれもメカニカルすぎて殺風景な印象がして個人的には苦手なものが多いです。なので、スマート家電なのに温かみのある、美しいデザインのプロダクトが開発されたら嬉しいなと思います。
最後に、佐竹さんが猫と暮らしていて「幸せだなあ」と思う瞬間はどんな時ですか?
- すべてです(笑)。ですが、一番幸せを感じるのは家に帰った時に玄関まで迎えに来ていて、「ただいま!」と言うと「にゃー!」といってくれる時ですかね。本当に可愛いし、一日の疲れが吹っ飛びます。でもおそらく「お帰り!」ではなく、「遅い! ごはん! 撫でろ!」といっているんだと思いますが(笑)。
