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猫と男 東京で生きる男と、共に暮らす猫。ふたりの距離感から垣間見える、唯一無二の物語。

Vol.10 どんこの場合

猫との暮らしは可愛いだけではなく、人間よりも早いスピードで老いていくことと向き合うことでもあります。ちょっと気になっていた、「猫と老い」について。友達の家の猫であるどんこは、最近どんなふうにすごしているのか、飼い主の外山さんに話を聞きました。

写真・文:加藤孝司 編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)

猫:どんこ。12歳のオス。“ほぼ”スコティッシュフォールド。

男:外山輝信(自営業) Instagram:@terunobu_toyama@sayukiinoue(パートナーの写真家・井上佐由紀さんが運営するInstagam)


どんこは今何歳でしたっけ?

12歳です。

何歳の時に外山さんちに来たんですか?

推定3歳の時ですね。

どういう出会いでしたか?

まわりに猫を飼っている友達がいて、旅行の時などにたまに預かったりしていました。それでパートナーの井上(写真家の井上佐由紀さん)と「猫っていいね」と話すようになって、井上がインターネットの保護猫サイトで見つけました。だから、僕の意思はまったく入っていないんです。僕は、飼うならロシアンブルーみたいなシャープでおしゃれな猫がいいと思っていました(笑)。

どんこはどんな性格ですか?

家に人が来てもほぼ嫌がらないし、おっとりした性格ですね。

どんこといえば、友達猫とのツーショット写真が話題でしたよね。

どんこも歳をとったので今はもうやらないですが、昔はよく人の家の猫を預かっていましたね。知識がなかったからそれが普通だと思っていて、犬みたいな感覚でどんこがいるのに気軽に預かっていたんです。でもそういうことって普通ではないんだなと、後で知りました。

ははは(笑)。

多い時で別々の家から2匹同時に預かった時があって、さすがにリビングに3匹猫がいると猫密度が高いなあと思いましたけど。たまたま相性が合ったからよかったけど、預かっていた他の家の猫ものんきですよね(笑)。どんこもですが。でも、何度か試しで預かった友達の猫とは相性が合わなかったことはありました。

今回は「猫と老い」についてのお話も伺えればと思っています。どんこも歳を取りましたよね。

ウチもInstagramなどではあえてそういう話はしていませんが、老猫の病院に関する話とかってそんなに雑誌でも書かれないし、知りたい人もきっといますよね。猫って可愛いだけじゃないですからね。

はい。どんこが歳をとってきて、付き合い方は変わってきましたか?

一番大きな変化は家中に絨毯を敷いたことですね。見た目的には良くないけど、猫の生活は楽になると思います。

というのは?

どんこの動き方が露骨に変わりましたね。普通のフローリングも床もそうですが、ウチは特にモルタルの床だったので滑りやすかったんだと思います。絨毯にしてから家の中をうろつく頻度が変わりましたし、運動量がものすごく増えました。だから、歳をとってきて最近寝てばかりだなとか、あまり運動しないなあと思っている人にはぜひ試してもらいたいです。

そうなんですね。

獣医さんから高齢の猫は結構な割合で関節炎を患っているという話を聞きました。

もしかしたら歳をとってからとはいわず、若いうちからそうしてあげるがいいのかもしれませんね。いい話を聞きました。いつから敷いているのですか?

1年半前くらいです。ある日、歩いていたどんこの後ろ足の動きがなんか変な時があって、股関節が外れているのかなと思い病院に連れて行きました。そうしたら関節を悪くしていることがわかって。それで何かケアをしなきゃと思って絨毯を敷いたんです。若い時からフロアにマットを敷いていてあげたら、もっと違ったのかなとは思います。もともとスコティッシュ系は骨があまり強くないとも聞いていて。

どんこってスコティッシュなんですか?

そこは結構謎なんですが、里親さんに見せてもらった写真では6匹いた兄弟猫はスコティッシュでした。ですので、どんこもおそらくスコティッシュです。里親さんには「この子は甘え方はうまくないけど、愛想がいい猫だよ」と言われましたね。ちなみにその時の名前は「わさお」でした。

わさお……。そうだ、外山さんちはペット保険に入っていますか?

飼いはじめて何度目かの検診の時に先生から勧められてペット保険に入りました。だから何かあったらすぐに病院には連れていっています。10歳までは年に一度、10歳越えたら年に2度定期検診に連れていった方がいいみたいですよ。どんこはもともと心臓に問題があったので、早め早めで病院に連れていっています。

どんこは病院に行くのは嫌がりませんか?

猫にとっては車の移動を含めすごく負担ではありますよね。定期検診は往診で、レントゲンやエコーの時だけ病院に行く、というのが理想ですけど……。どんこは心臓に持病があるので、心臓だけは専門医に診てもらっています。一度薬が合わなかったのか薬疹(アレルギー反応)が酷くなってしまったことがあって、薬のことは信頼しているかかりつけのお医者さんのジャッジにおまかせしています。今もらっている心臓の薬は美味しいらしくて、おやつ感覚で喜んで食べています。

さすがどんこ(笑)。

でも猫に薬をあげるのって大変ですよね。何回も教わっているけどうまく出来なくて。いいやり方があったら教えてほしいです。あと、先生に言われたのが猫は「歯」が重要だということ。人間もそうかもしれませんが病気も体調不良も歯からくると聞きました。

歯磨きはしていますか?

はい。指先にガーゼを巻いて夜の食事後にしています。歯磨きの後に口内環境を整えるのに乳酸菌がいいと聞いてサプリをあげています。心臓の薬と抗ヒスタミン、アレルギーもあるのでアレルギー薬も飲んでいます。ご飯はカリカリとウェットを交互に、便通効果があるカリカリをあげています。あと……ご飯をあげた量、飲んだ薬、トイレの回数なんかをエクセルでつくった表をプリントアウトしてそれに毎日記録しています。

この表すごいですね。自分でつくったんですか?

はい。心臓病がある場合、体重の管理が重要なのと、食事量が変わらないのに体重が減ると糖尿病の可能性があるので。血圧計も買って別のノートにチェックしています。

猫用の血圧計ってあるんですね。

巻くところが動物用に小さくなっているのがあるんです。でも人間みたいにじっとしていないので、普通の猫だと測るのが難しいかも。どんこも3回くらい測ってやっと正確かなという数値がでる感じです。

若い頃から体重は変わらずですか?

はい。だいたい4.2キロくらいですね。

12歳になっても見た目は全然変わりませんね。何かしているんですか?

ご飯とかサプリもそうですが、毎日膝の上でブラッシングをしています。歳を取っても歩けるように床に絨毯を敷くこと、ご飯を美味しく食べられるように歯を磨いてあげることは実践していますが、どこまでケアするかは考えちゃいますね。

猫と会話ができないというのは、なんとももどかしいですよね。

ですね。猫は何かあっても言ってくれませんからね。でも人間側からすれば、猫のためにするあれこれを面倒と思うか愉しむかでだいぶ違うと思います。ウチの場合、どんこの世話はほとんど井上がやってくれるのですが、彼女は仕事の帰りの車の中で「家に帰ってどんこの血圧を測りたい」とか「水を変えたい」とかって思うそうなんです。

どんこ愛を感じます。でもそういうルーティンがあると猫に人間が支えられているというか、人間の生活もふっと軽くなりますよね。

「どんこの世話をすることが疲れをとること」だと言っています。でもこんなに世話をして、もしどんこがいなくなったらと考えると……。ペットロスがすごいんだろうなと今から心配になります。

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2020/12/23

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