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猫と男 東京で生きる男と、共に暮らす猫。ふたりの距離感から垣間見える、唯一無二の物語。

Vol.4 パッチとドッチの場合

工業用ミシンをあやつり製品をつくるデザイナーの倉橋孝明さんは、2匹の猫と家族と共に暮らしている。猫にまつわるプロダクトも手掛ける倉橋さんに、猫との出会いと暮らしについて聞いた。

写真・文:加藤孝司 編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)

猫:パッチ(6歳)、ドッチ(5歳)

男:倉橋孝明 「41世紀」デザイナー。趣味はアメリカンプロレス鑑賞。
http://41stcentury.thebase.in/

倉橋家のパッチとドッチ、名前の由来を教えてください。

最初にウチに来たのはパッチでした。6年前のことになりますが、鼻のマズルの先に黒い模様があって、それが膝や肘にあてる布の模様みたいだったのでパッチという名前にしました。パッチがきて1年後に、2匹目として迎えたのがドッチです。ドッチの名前の由来はパッチにあやかって「~っち」にしようと思っていたのですが、しっくりくる名前が思い浮かばなくて、「どちらか区別がつかない」という意味のドッチにした経緯があります。

なるほど。

でも家で猫の話をするときに、文字通りどっちの猫の話をしているのか紛らわしくなって、早々にドッチとは呼ばなくなってしまいましたけど。

どのように呼ぶようになったんですか?

ドッチが「ドスピー」になって、今では最後だけ残って「ピーちゃん」になっています(笑)。

ドッチとパッチの性別を教えてください。

2匹ともメスです。

なぜ2匹目を迎えることになったのですか?

パッチが来てしばらくしてから、北海道・旭川の実家に1週間くらい帰ることがありました。留守の間友人にみてもらっていたのですが、寂しかったのか、僕たちが帰るとこれまでにないくらいに甘えてきました。それで、2匹目がいたら留守にしても寂しくないのかもと思って、探しはじめたのがきっかけです。
保護猫のシェルターのサイトを色々見ていたら、ある日新入り猫の情報の中にドッチがいて、それで翌日すぐにレンタカーを借りて会いにいきました。

そうでしたか。

その時、ドッチは生まれてまだひと月経っていなくて、避妊もまだしていませんでした。そのシェルターは避妊をしてから引き渡すという決まりになっていて、それでその日のうちには連れては帰れなかったのですが、1~2ヶ月してようやく迎えることができました。

2匹の性格の違いはありますか?

ドッチは末っ子という感じで、お客さんが来て触られても動じることなく、甘え上手という感じの猫です。一方のパッチは、神経質というほどではないにしても気にしいだし、かまって欲しい時やご飯が欲しい時にはしつこくて(笑)。でもパッチは面倒見がいい一面がありますね。ドッチは面倒くさそうな時にはどっかに行ってしまうのですが、パッチはあきらかに我慢してくれているなあという時があって、そういった意味でも「いいやつ」だなあと思います。

しっかり者というか、お姉さん感がありますね。

3年前に僕たち夫婦に娘が生まれたのですが、パッチは娘が赤ちゃんの頃からそばにいてくれたり、泣いたら呼びに来てくれるようなこともありました。そういった意味ではドッチは猫っぽいけど、パッチは人っぽい感じがありますね。

なるほど。それは面白いですね。年齢は幾つ違いですか?

1歳違いです。

年子なんですね。倉橋さんはそれまでも猫を飼っていたんですか?

子どもの頃から猫が好きでずっと飼いたかったのですが、パッチがはじめての猫です。

飼うきっかけは何かあったんですか?

実家にいる時は、飼いたくても家族に反対されていたので現実的ではなかったのですが、東京に出てきて一人暮らしをはじめた家がペット可の物件でした。それでふと、「今なら猫を飼えるんだなあ」と思ったのと、奥さんと出会って同棲をはじめた頃に、家の前に“触れるタイプ”の野良猫が通いで来てくれていて。それで家の中で餌をあげたりして、猫に触れる機会が増えたことが大きいですね。

猫との暮らしはどうですか?

最初の頃はまさに「猫可愛がり」、次第に「そばにいて当たり前」という感じで、幸せな日常に猫たちが溶け込んでいきました。娘が生まれてから、猫たちは最初付き合い方に戸惑っている感じがありましたね。

そうですか。

娘が生まれたばかりの頃は僕ら夫婦が彼女につきっきりになってしまうこともあって、最初のうちは2匹とも寂しそうにしていました。だけど次第に娘も猫たちも互いの扱いに慣れてきて、娘は今では保育園から帰ってくると、まず一番に猫たちのところに行ってぎゅーっとしています。

そういった意味では、倉橋さんは2匹の猫と娘さん、両方のお父さんでもあるわけですが、生活を共にして子どもたちの成長を感じることもありますか?

そうですね。最初パッチが家に来た時は、子猫だったこともあって甘えん坊だったのですが、そのあとドッチが来たことで“お姉さん感”が出るようになりました。ドッチは家に来た時も娘が生まれてからも、相変わらず気ままな感じで“末っ子”という感じですね。
娘は2匹の猫にとって妹みたいな感じだったのですが、3歳になった今では、猫たちに対して逆にお姉さんぽく振る舞っています。「これしちゃダメだよ」とか猫に言っていたりしていて、絶妙なバランスで面白いです(笑)。それと、娘は生まれた時から猫がそばにいる、いわば「猫ネイティブ」。だから僕らより猫の扱いに慣れているところがありますね。

猫がいて幸せを感じる瞬間はどんな時ですか?

疲れている時やなんとなく元気がない時に、彼女たちの毛並みを触って「やっぱり温かい」と感じる瞬間でしょうか。猫を飼うまでは、野良猫とかを見て「可愛いなあ」と思う視覚的な感情が大きかったのですが、一緒に暮らすようになってからは、なんともいえない心地よさを感じる触覚や、鳴き声や部屋を走る音といった聴覚、猫のボディを嗅いだ時の匂いというような、視覚情報以外のものが感じられるようになり一層愛しくなりました。当たり前すぎて日常でもその存在を意識することがないのですが、僕たち夫婦や娘にとって家族同様の存在として認識しています。

倉橋さんにとって猫とは?

なんでもないけどありがたい存在ですね。猫にしてみれば外の世界を知らない分、かまって欲しいし、遊んでも欲しいですよね。だから2匹に対して、いつでもおもてなし精神は忘れずにいたいと思っています(笑)。

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2020/02/19

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